bicycle_uuのブログ

自転車レースの感想

ANA NISEKO CLASSIC 2023 女子85km 19-34歳 (総合) 優勝

ニセコクラシックに参加しました。


結果

女子19~34歳 (85km女子総合) 1位🥇

タイム 2:34'13"

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集団落車に巻き込まれ負傷しましたが、諦めないで走ったら勝つことができました。


2023/6/17 (前日)

朝早く起きて岩島さんの車に同乗させていただき空港に向かう。

空港は同じくニセコに向かうと思われる方が多く、オペレーションが慣れていないのか、自転車を預けるのにかなり時間がかかった。

新千歳空港に着き、同行者が車を取りに行っている間に食料を確保する。

かま栄のパンロールと揚げかまぼこ、生ノースマン、NOUVELLE VAGUEのブラウニーバトンパイ、きのとやのチーズタルトとソフトクリーム、後は少し試食をした。シュークリームやチーズを買おうかと思ったが帰りに買うことにした。

初めての北海道なので色々なグルメを楽しみたい!

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空港を出て車でヒラフに向かう。コーヒーが飲みたかったのでセイコーマートのコーヒーを飲んだ。焦げた味がして好みではなかった。途中きのこ王国できのこ汁を飲んだ。

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あと途中で目についたTAKAra牧場で牛乳を飲んだ。チーズを買うか悩むも、やはり帰りにしようと牧場を後にした。

道中は空港で買った食料を食べ続けた。

会場付近に着き、適当に車を停めて受付を済ませる。受付を済ませたら試走と自転車を預けるために、自転車の準備をする。

1週間くらい前からクリートが曲がっている気がして足首が痛いので、このタイミングで調整した(遅い)。3回くらい調整したらバッチリ合ったので良かった。この時点で14時過ぎくらい。

その足でゴール前ラスト3km程を試走しに行く。ラストがキツくて長いという噂をチームメイトから聞いた。走ってみて、特にキツい坂は無いが勾配変化がかなりある。万が一ラストスプリントになったらどういう風に走ろうかなと考えながら試走した。

試走が終わり、自転車を預けに行った。自転車預けは16時までだったのでちょうど良い時間配分ではないだろうか。85kmは受付会場/ゴールとは20km程離れており、自走しない人はトラックに自転車を預けることができる。当日はヒラフ坂からバスが出る。

その後は同行者の150kmの試走(車)についていった。

白樺が沢山生えていて長野の標高が高い所を彷彿させる良い坂だった。頂上付近は開けていて景色が良い。150kmに出たくなった。降りはコーナー毎にリズムが異なる気がして、見通しも悪く、180°コーナーもあるしテクニカルだと感じた。先のコーナーが分かりにくいので、ダウンヒルはサイコンに地図を出しておいても良いかなと思った。蘭越からは宿に向かって走る。85kmと同じコースなので私もよく見ておく。特にコースマップに書いてある危険箇所は良く見ておく。

ニセコ駅付近でパン屋で朝食を買おうとするも買えなかった。食パンと菓子パンは売っていたがそういう気分じゃなかったのでコンビニでおにぎりなどを買った。

夕飯はホテルのビュッフェで食べられなくなるまで食べた。本当は炭水化物メインが良いのだろうけれど食べたいものを食べた。

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2023/6/18 (当日)

起床は4時40分

身体を温めて起こそうと思い大浴場に向かったら優子さんがいた。

5時過ぎに部屋に戻ってウェアを着たり荷物をまとめたり準備をして5時半頃宿を出た。

前日はかなりご飯を食べたので食べる気が起きず、何も食べないでバスに向かった。宿からバス乗り場までは歩いて3分くらいだが、坂道をビンディングで歩くのは辛い。近くに宿を取って良かった。

バスに乗り少し胃に食べ物を入れたいなという気持ちになっていたら、優子さんがパンをくれたので小さいもちもちのチョコパンを1つ食べた。

6時15分頃自転車を受け取り、トイレに行った。紐靴の着脱が面倒臭い。

スタート地点は少し離れており、道がわからないので皆についていく。

会場に着き、空気を入れにメカブースに行く。空気を入れたらスタートまで1時間を切っていたのでアップをしにいく。緩い1分くらい?の坂が近くにあるのでそこでアップをした。いつも通り心拍が180超えるまで高ケイデンスインターバルをする。脚の調子は良さそう。6回繰り返したところで心拍180まで上がった。

会場に戻り、知り合いの女の子達と話す。初めましての女性に優勝候補だよ~と紹介されてドキドキする。つい最近賞味期限が切れたアミノバイタル青を飲み、最後にトイレに行った。トイレはかなり混んでいて出た時にはスタート前に皆移動していた。並んでいる列に向かうと皆がここ入りなよ!と言って前から2列目くらいに入れてくれた。みんな優しい。


レースレポート

暫くローリングがあった。先頭が先導車と近いのと、先導車は加減速を繰り返すのと、マスターズのおじさん達がすぐに右から前に出てきて寄せてくるし気が早いし危ないなと思った。案の定ローリング中に落車があった。右からおじさん達が上がって寄せてこなければこの落車はなかったかも。落車した子は直ぐに復帰できていたので良かった。

スタートして少しペースが上がる。最初の坂は1.8km5.4%の5分くらいの坂なので、アップくらいの気持ちで一定ペースで登る。前からポロポロ人が落ちてくるのでそれをパスしていると段々前の方に上がっていく。

降りに入って登りで出遅れた人達が右側から上がってくるので危ないなと思う。

スタートから10km過ぎ、22分程経過した所で落車があった。緩い降りで道幅も広く、なぜここで?と思うような所だった。先頭付近でハスって落車したらしく、速度も出ていて集団もまだまだ大きかったためかなりの大落車となった。私は道の真ん中辺り、ギリギリ先頭が見えるくらいの位置を走っていたため、落車の真ん中に突っ込んだ。落車に気づいたときには既に遅く、横に避けることもできないため真っ直ぐ突っ込んだ。福田さんを越えてその後ろ辺りで着地し、上から降ってくる自転車から顔を守りながら耐えた。

音が止んで、意識があり、起き上がることができたので自転車を探してガサガサ取り出す。サイコンとボトルとヘルメットのバイザーが無く、辺りを探すとサイコンだけ近くに落ちていたので拾う。サイコンマウントが折れていたため背中のポケットに入れる。自転車が動くか見ると、レバーが曲がっているのとチェーンが落ちているくらいに思えたのでチェーンを戻して走り出そうとするが、チェーンが上手く嵌っておらず落ちてしまったのでまた止まる。チェーンが落ちた時はクランク回して確認しないとダメだ。

走り出してから自分の右親指からかなりの血が出ていることに気がつく。サイコンを拾った辺りで血がついているのには気がついていたが、返り血かと思っていた。走りながら親指を曲げ伸ばしたり、触ってみて特に異常が無かったのでそのまま走り続けることにした。出血量が多く、傷も深めに見えるのでそこだけ気になったが傷口を舐めながら走った。意識を失ったりしないか少し心配だ。

取り敢えず前に見えている小集団を捕まえようと頑張って踏んでいく。落車してから2分も経っていないだろうが、かなりの人数が前に行っており、この時点でリザルトを狙うのは絶望的だろうと思った。3つくらいの小集団は割とすぐに追いつけた。後からログを見るとここで最大心拍を叩き出している。

ストレートで1分程前に大集団が見えるのでまだ追いつけるよ!と声をかけてローテを促す。しかしローテしてくれるのは10人もおらず、焦ってしまうのかあまり上手く回らない。前に大集団が見えるのにローテに加わらない人達は、リザルトを狙っていないのだろうと思った。勿論小柄な女性の私に気を使って前を牽いてくれようとする紳士もいた。私は諦めが悪いので、少しずつ離れていく前の集団を見ながら、なるべくタイムを離されないように積極的に前で走った。なんとかUCIメダルが欲しい!!!

2個目の登りに入り、集団はバラけた。少し息が上がるくらいのペースになった。8人くらい?先行した。無理すればついていけかもしれないがまだ先は長いので1時間のヒルクライムを登る気持ちで登っていく。その後は足が合った人達とまたローテして走っていく。

ボトルを落として飲み物がなく、流石に厳しいと思い、近くを走る2ボトル持っている男性に1本貰えないか頼む。何人か声かけるのを覚悟していたが、1人目で貰うことが出来た。足を攣らずに走りきれたのはこの方のお陰だと言っても過言ではない。

この辺りはゴリゴリマッチョの外人に尊敬しますって言われたりなんか励まされたりして走っていて楽しくなってきた。

途中でチームメイトのSさんや同カテゴリのかなちゃん(カテゴリ2位)を捕まえた。Sさんは平坦をゴリゴリ引いてくれた。

新見の登り5km程手前でふと思い出し、ジェルを飲む。その辺りで桜子さんに声をかけられる。後ろを向いたらかなりの大集団になっていて驚いた。2個目の登りはもっとサボって良かったかもしれない。この時は先頭集団に同カテゴリの女子が何人かいるだろうと思っていたので、なんとか新見の登りでタイム差を縮めたいと考えていた。

新見の登りに入り、前の方に出た男性達について行く。10人くらいの集団になり、無理をせずに登れるペースでちょうど良かった。このまま日の出KOMまで行きたい。

新見補給所(残り31.4km)では青いニセコボトルを受け取った。中身は水だった。黒いボトルがスポドリだったっぽい。スポドリが欲しかった。

この後は登りで脚が合った数人と協力してひたすら走った。黄金の補給所(残り17.1km)でラストに向けてジェルを飲んだ。日本ろう自転車競技会の方が周りを纏めたり励ましてくれたりして元気が出た。

残り10kmくらい?で前に女子が見えてくる。遠くてゼッケンが見えず、カテゴリが同じなのかもわからない。取り敢えず差を詰めていっているので、無理をしなくても追いつけそうだなと思った。追いついてゼッケンを見たら違うカテゴリだった。やはりまだ前に女子はいるだろうと考えて脚は緩ませずにそのまま走る。

残り3km、ストレートの先に女子は見えず、これより先に女子がいたとしても追いつけないなと諦める。登りからずっと一緒だった、赤地に白い桜のジャージを着ている方と最後は2人になり、ゴール前3kmくらい結構牽いてもらったのでゴールはお先にどうぞ~と言って先に行ってもらった。

ゴール前の坂は走っている人はまばらで、私は血まみれなので観客からうわぁ……という声が聞こえてくる。確かに血まみれの女が走ってたら怖いだろう。道中子供も多かったが大丈夫なのだろうか。

ゴールラインを跨ぐ時は、ゴールできただけで優勝!と思ったので両手を広げた。


レース後

タグを返し、たぶちんさんからはちのさんの事を聞かれたので落車に巻き込まれてなさそうでしたよ~と答えた。確かに血塗れの私を見たら彼女の事が心配になるだろう。

走り終わったレジェンドと遭遇し、一緒に救護テントに向かう。中を見ると2人横になっていた。片方は女性で、多分同じ落車に巻き込まれて骨折してしまったのだろう。

水で血を流してもらい指の手当をしてもらう。傷口を舐めていたので口周りも血だらけだったらしい。

怪我は右手の親指と左大腿部裏面の手の平大の擦過傷くらいだった。

落車で他の女子を見失い、自分のリザルトがわからなかったので、レジェンドのスマホでリザルトを見ると、なんと優勝していた!殆どの女子が落車で足止めをくらったようだ。

私は日の出KOMは1位で通過していない。日の出KOM1位通過の人はDNFになっているのでもしかしたらKOM後に落車してしまったのかもしれない。今回は運要素が大きいレースだった。

宿に戻ってシャワーを浴び、昼ごはんはスープカレーを食べた。

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表彰式で右手の親指が包帯と保冷剤で動かせず、チャンピオンジャージのジッパーが上げられなかったので桜子さんに上げてもらった。


帰宅まで

レース当日の夜はチームメイトとジンギスカンをした。

星がとても綺麗だった。

次の日は自転車をしまう前に10分くらい宿の近くを走ろうとスマホも持たずに私服で走りに行っらが、道に迷って1時間走った。

救護で縫ったりしなくても大丈夫そうだねと言われたが、帰りの車でも血が止まらなかったので、悩んだが病院にかかることにした。

10時すぎに病院に行ったら混みすぎてて会計が終わるのに14時くらいまでかかった。

人生で初めて自分の身体を縫うことになったが、診察してその場でベッドに寝転んで縫うとは思わなかった。指を石鹸で綺麗に洗い(痛い)、注射針で色々な角度にしてゴリゴリ麻酔を注入された(かなり痛い)。指は3針縫った。縫う時には麻酔が効いて痛くなかった。

ちなみに記事投稿現在5ヶ月ほど経過したがまだ指が痛いしそもそも指の動きが悪くなってしまったように感じる。

 

感想

UCIメダルがとても欲しかったので、獲得できて良かったが代償は大きかった。上位25%はメダルが貰えるらしい。

若い男性のカテゴリから順番にスタートさせて2分差でもつけてくれれば、レース的にもカテゴリがわかりやすいし、ここまで大きな集団にはならず、リスクも減るだろう。

自転車も私もかなりの傷を負ったし、優勝できたので暫くニセコは出ないと思うが北海道はまた行きたい。